ロバート・キヨサキ「金持ち父さん貧乏父さん」

 最近、投資をはじめたのですが、あれこれ考えるよりとりあえず行動してから学ぶこともあるだろうと考えて、あまり後先考えずに始めて焦りを感じています。。。

 勉強したいなあと考えて、投資初心者向けの本を調べて、本書にたどり着きました。読み進めていくうちに、具体的な投資手法を紹介した本ではないことが分かりましたが、お金に対する考えかた、ファイナンシャル・リテラシーを高めるうえで、面白い本だと感じました。

 内容は筆者にそれぞれお金に対する異なった考え方を教えた、二人の父から学んだことを紹介するかたちとなっています。

 

↓↓以下、気になったところの引用です。

 

「教えの書」

第1章 金持ちはお金のためには働かない

“たいていの人はお金で動く。それは人間だれしも恐怖と欲望という感情を持ち合わせているからだ。

恐怖や欲望が大きくなるのは、お金のことを知らないからなんだ。恐怖をしっかり見つめ、欲望、人間の弱点、強欲さに立ち向かうことこそ、そこから抜け出すための道なんだ。”

 

第2章 お金の流れの読み方を学ぶ

“金銭・財務関係の文字と数字を読んで理解する力、「ファイナンシャル・リテラシー」が不可欠だ。"

 

第3章 自分のビジネスを持つ

“職業とビジネスには大きな違いがある。職業として銀行に勤めていても、その他に自分自身のビジネスが必要だ。

いまの仕事を続けながら、その一方で自分のビジネスを持つことを考えるべきだ。”

 

「実践の書」

第3の障害 忙しいことを理由に怠ける。

“世の中には、忙しい人間が一番怠けているということがよくある。この「怠け心」を解消するにはどうしたらいいだろう?その鍵はちょっとした「欲張り心」にある。”

 

第4の障害 自分への支払いを後回しにする悪い習慣

 “人間の生き方はその人が受けた「教育」よりもむしろ「習慣」の影響を強く受ける。自分に対する支払を先にすれば、お金に関して自分が強くなる。”

 

【所感】

 大学を卒業して企業で働くようになって、将来得られる収入もある程度想像がつくようになったものの、将来の生活に対するお金の不安は漠然としてあります。がむしゃらに仕事に打ち込むだけでは特に収入は増えないですし、同じような生活が今後数十年続くと思うと、また今後ビジネスが大きく変容し、要求される専門性が変化・深化するために雇用や給料も保証されるかわからないとなると、もやもやとした感覚を抱かざるを得ません。いろいろ勉強してきたんだけどな、というのが正直な感想です。本書に書かれている言葉で、

“恐怖や欲望が大きくなるのは、お金のことを知らないからなんだ。恐怖をしっかり見つめ、欲望、人間の弱点、強欲さに立ち向かうことこそ、そこから抜け出すための道なんだ。”

という一説があります。ここではお金について述べられていますが、知らないでいることが恐怖を助長させるとも読みとれます。ざっくりと考えて、もっといろいろなことを勉強したら不安感は拭い去れるのかな~とも思いました。

 

 本書で述べられている考え方として、仕事とビジネスを別物としてとらえています。これは自分にとっては新しい見方でした。今は企業で務めることと比較して、個人で事業を起こす人も増えてきていますが、それは別なんですね。(社員か経営者かという違いは認識していましたが、働き方というか、両立できるという考え方?ですね。うまく言葉にできないですが。)本書では資産に関係するところなので、投資もビジネスという解釈でいいんでしょうね。(身近なところでは副業という言葉がよく言われるようになりましたが、それに限らない。)個人的には、視野を広げて勉強して、興味のある分野を見つけ出していこうと考えています。何より勉強が好きですし、テクニカルなことも割と理解できる素養があると思っています。そのうえで、今の本業とは別に貢献できること(出資や転職でも形は問いません)があれば、首を突っ込んでいきたいなと、夢物語かもしれませんが思いました。

 

 個人の生活において、お金に関する悩みがなくなったら、各々の生活は楽しいものになると思います。極端ですが、自分を追い込んで働く必要もないし、好きな時に遊びに行けばいいですし。しかし、皆が個人のビジネスに注力しすぎると、本書の中でいう専門職に就く人が減ってしまうのも事実。逆説的ですが、社会にとってはJobが必要だと思いますね。賃金が目的かは置いておいて、狭く深く知識をつけて世の中に貢献することは、大局的に見て必要なことだと考えます。(私の考えには、私が理系のバックグラウンドを持つことも影響してると思います。大学では非常にマニアックなアカデミックの領域で研究を行っていましたが、企業で働くようになって、自分が学んだことが、社会や経済とどう関わりがあるか腑に落ちました。)まあ、先に述べたように両立したらいいんでしょうけど。

 

 最後に、忙しいことを理由に怠けないで、自分が勉強に使いたい時間をできるだけ優先的に、習慣的に作って、時間の使い方をもっと充実させていきたいと思います。(本書では、お金に関して自分に支払うと述べていますが、時間の使い方や、他のことにも応用できそうに考えています。)確かに、仕事だけに集中することは、他のこと考えなくていいので、ある意味楽だとも感じています。朝から晩まで働いて、寝るためだけに帰るような生活も、別の意味で頭働かせなくていいので、簡単ですね。それよりも時間区切ってあれこれやることの方が大変でしょう、と最近感じています。それでも同じだけの成果をその分少ない時間で挙げなくてはいけないので、先に自分に支払ってから考えようと思います。